活動報告

令和元年度報告一覧

須川の埋没林保存に向けて・・・


 埋没林保存をテーマとする講座は、仙台「地底の森ミュージアム」探訪(2016年)を皮切りに、昨年、一昨年と専門家を招きシンポジウムを開催しました。昨年は、鼎談のまとめとして、具体的な保存に向けた検討委員会の設置が提案され、今年度、山形の宝事業から派生した「須川氷河期の埋没林対策委員会」が始動しました。


 7月20日(土)開催のフォーラムは、その対策委員会の意向を踏まえ、参加者による意見交換を重視し、地区全体の「埋没林に寄せる熱い思い」を語り合う交流型の形式で開催しました。特に開催案内のチラシは、カラー印刷で、未来に向けた保存を呼びかけるとともに、「貴重な自然遺産・埋没林」の啓発イラストを掲截し、南山形地区全戸配布としました。当日は、県教育庁からの来賓2名を含め54名に参加いただきました。

 3部構成による第1部では、山野井徹山形大学名誉教授から「埋没林は宝か」という問いかけで講話が始まり、埋没林の魅力と存在意義に、参会者は興味深く耳を傾けました。

 第2部では、「かけがえのない貴重な宝」として、理解を深め広げてきた9年間の保存活動の記録をスライドで辿り、また、河川整備も含めた行政への要望活動が紹介されました。

 そして、注目の第3部の意見交換では、一部掘り出しによる公的施設保存方法の提案や地区全体の野外ミュージアム構想が提案されました。

 参会者からは、「行政に働きかけて早急に保存すべき」との声や、「埋没林を象徴としながら太古へさかのぼれるエリアの設置」や「南山形の誇るべき史跡や記念物による地域おこしを進めることで、地区全体の気運を高めることが必要」などが語られました。これまでの講座から一歩踏み出した有意義なフォーラムとなりました。

*****今後の予定*****

(表組)

講座 講師 日時・会場

第2回

 「羽州街道を巡る」―南山形地区の羽州街道― 梅津 保一氏(山形県地域史研究協議会会長) 9月7日(土)13:30~15:00南山形コミュニティセンター


第3回

 高瀬助次郎著~百姓生活 百年記 巻弐~発刊によせて 市村 幸夫氏(山形県立博物館友の会副会長)11月9日(土)13:30~15:00南山形コミュニティセンター

2019/10/16

実践プラン5「谷柏田植踊」(20数年中断中)の復活・継承運動


前年度の3月16日(土)に、山形市民会館小ホールで行われた「山形市民俗芸能公演会」に、民俗芸能サークル「舞」のメンバー12名と保存会(地域在住者)が合同で出場しました。
 この公演は第43回目を迎えた伝統あるもので、毎年「山形市民俗芸能連合保存会」が主催しております。谷柏田植踊は、2016年度の復活実現の際に、特別出演の依頼を受けて出場しており、今回は2回目の出場となりました。
 出演した学生と保存会(地域在住者)のメンバーを以下にご紹介します。

・中太鼓:遠藤 諒夏 (総合文化学科2年)

・源内棒:渋江 颯汰 (同上)
     村上  卓 (同上)

・早乙女:菅井 梨帆 (同上)
     土田 有紗 (同上)
     三浦 麗奈 (同上)
     中島 愛美 (同上)
     恒儀 日菜 (同上)
     神尾友佳子(子ども教育学科3年)

・陰太鼓:笹原 捺希 (総合文化学科2年)
     鳥前 拓也 (同上)

・囃し手
  唄 :伊藤哲雄 石井慶市 丹野裕志 高瀬 勲 福井隆夫
  笛 :情野卯エ門
  鉦 :金沢英雄

・寄太鼓:東海林明美 中村京子 渡辺千矢子 渡辺正江

・口 上:枝松昭男 横沢正己

今後の予定

●10月13日(日)
 第10回東北文教祭(東北文教大学)

●10月27日(日)
・午前 北海道・東北ブロック民俗芸能大会(山形県民会館)
・午後 南山形地区文化祭(南山形地区コミュニティセンター)

●11月23日(土)
 最上地区民俗芸能フェスティバル(新庄市駅舎「ゆめりや」)

●12月8日(日)
 慰問公演(特別養護老人ホーム「きらめきの里」天童市山口】)

実践プラン1「2万年の歩みを刻む南山形を知る・楽しむ」活動

実践プラン2「南山形地区ガイドマップ」作成


 平成30年7月16日に第1回、9月29日に第2回、10月28日に第3回のバスツアーを実施しました。

 「自然・歴史まるぐマップ」では、①自然・茂吉コース、②いにしえの郷コース、③羽州街道コースの3つのコースを作成しましたが、30年度のバスツアーでは、これら3つのコースの中から9つの名所をピックアップし、3回とも同じコースで周遊しました。

 しかし、平成31年度の計画では、まるぐマップで作成した3つのコースをそのまま活かして、3回のバスツアーを計画しておりますので、毎回異なる場所を周遊する予定です。また、全ての回で、昼食を挟んでのツアーを計画中です。前年度ご参加いただいた方も、初めての方も奮ってご参加ください。

※コース内容や順番は若干変更の可能性がございます。なお、お申し込み、内容の詳細につきましては、各回チラシを発行しますので、そちらをご覧いただき、お申込み下さい。

PICK UP!南山形小学校とのつながり

 南山形小学校からの依頼を受け、6年生の地域学習の一環として、プロジェクト協力委員、教職員、学生ボランティアと共に、「自然・歴史まるぐマップ」を活用しながら地域を歩き、「南山形地区の魅力」について学びました。

 普段住んでいても意外と知らない地域のこと。南山形地区には豊かな自然と歴史が隠れています。子どもたちは、元気いっぱい、興味津々で、地域の方々や学生、教職員と共に楽しみながら真剣に学びました。そして、この学びの成果は、小学校の学習発表会で披露されました。

DVDおもしゃえがらみでけろず~南山形自然探訪完成!

 三部作構成の南山形探訪、最後のDVD 「おもしゃえがらみでけろず~南山形自然探訪」が完成しました。
 本作では、南山形地区の「自然」をテーマに、四季折々の美しい南山形の風景を撮影してきました。春・夏・秋・冬と移り変わる南山形の自然をご堪能ください。
 見所として、今回の南山形自然探訪では、このシリーズ初となる「ドローン(無人航空機)」を採用し、普段みることのできない上空からの南山形を撮影しました。
 3年にわたるDVD班の撮影活動は、これをもって最後となります。ご協力いただきました南山形地区の皆様、本当にありがとうございました。

ご案内】

私たちが撮影してきたDVD「南山形探訪」は、南山形コミュニティセンターや東北文教大学の付属図書館などに配付させていただいております。また、インターネットからどなたでも視聴することができます。
ぜひ、こちらもご覧いただけると嬉しいです↓

「南山形地区物語」DVD作成・上映活動

URL http://uzugusue.netj.jp/movie/

第3回講座シンポジウム「氷河期の埋没林をいかに保存するか」PART2

 埋没林保存に向けた2回目のシンポジウムは、3名のシンポジストの話はきわめて専門的ではありましたが、わかりやすく、参会者の心を惹きつけ、理解を高める上で大変有意義な内容でした。

 山野井徹名誉教授は、須川の埋没林の出現は、いくつかの限られた好条件が重なって発見されたとても貴重なものであること。そこから数多くの歴史的情報が得られること、そして河川の浸食により、刻々と減少する不安定な状況を憂慮し、保存活動が緊急の課題であることを説明してくださいました。

 長澤一雄教諭は、地質学、考古学を専門とする元学芸員という立場から、当埋没林は自然系標本で記念物に分類され、科学的意義が高いこと。指定を受けて保存されるまでの手順や関連法令等について自らの鯨類化石の発掘、保存の経験から教えてくださいました。

 平塚幸人学芸室長は、仙台富澤遺跡における出土木の現物を持参し、内部の状態の説明と3つの具体的な保存処理方法、そして保存目的について説明してくださいました。また、現代技術を駆使して、バーチャルリアリティーの手法や3Dプリンターを使った模型の製作等、人々が見に行きたいという思いを醸成する方法等についてもご提案くださいました。

 須藤善友座長は、講座のまとめとして、熱心な参会者からの質問や意見を受け「保存活動に向けた検討委員会の設置」を提案、その意義ある新たな一歩を参加者で確認し、講座を終えました。

大学祭公演


 平成30年10月7日(日)文教祭2日目に大学の中庭で行われました。復活1年目から披露して今年で3回目。大学祭では毎年恒例の催し物となっています。

 毎年1演技を目指しており、3年目の今年は第3演目まで披露することができました。大勢の教職員と学生そして地域の皆さんが見つめるなか、堂々たる演技と地域の皆さんとのコラボレーションに大きな拍手が沸きおこりました。

伝承文化フェスティバル公演


 平成30年11月3日(文化の日)、伝承文化支援研究センター主催の「伝承文化フェスティバル」がイオンモール南山形1階中央スペースで開かれました。

 公演部門と実演・体験部門があり、谷柏田植踊は公演部門に出演しました。公演は2回行われましたが、休日ということもあり、イオンに買い物に来た大勢のお客さんが田植踊りの演技と歌に足をとめ、熱演ぶりに見入っていました。

きらめきの里公演


 平成30年12月1日(土)天童市山口地区にある特別養護老人ホーム「きらめきの里」を訪問しました。

 ホームには介護を必要とする高齢者が入居していますが、当日は施設職員とともに約40名の方々が鑑賞して下さり、目の前で繰り広げられる田植踊りに大きな拍手をいただきました。

 昨年に続いての訪問ですが、学生にとっても得難い貴重な体験となっております。